自閉症
原因自閉症の基礎知識

原因

発症の原因

自閉症

自閉症の原因自閉症は昔から誤解や偏見が多く、母親のせいにされることがしばしばありました。
しかし教育やしつけは、自閉症の発症にまったく関係ありません。

ここではさいきん解明された、自閉症の正しい原因について紹介しています。

自閉症に関与しているタンパク質とは

原因はタンパク質!今までさまざまな説や推論がありましたが、自閉症の発症には、脳内のある種のたんぱく質が大きく関係していることがわかりました。
そのたんぱく質の名前や働き、自閉症にどう関与しているのかを説明していきましょう。

母親の育て方は関係ありません

たんぱく質は、血液や筋肉を作るための重要な栄養素として広く知られています。
たんぱく質にはさまざまな種類があり、脳内にも存在していますが、そのうち自閉症に大きく関与しているのは、セロトニントランスポーターというタンパク質です。

セロトニントランスポーターは、シナプスの隙間に貯まったセロトニンを再利用するために、再取り込みを行う物質です。
静岡県の浜松医大での研究により、自閉症をもつ人の脳内では、健常者に比べてこのセロトニントランスポーターの量が少ないことが判明しました。

セロトニンとは、脳の視床下部や大脳基底核などに存在する神経伝達物質の一種であり、人の精神活動に大きく影響するものです。
セロトニンは感情をコントロールするための重要な物質であり、不足すると心のバランスを崩し、怒りっぽくなったり鬱病などの精神疾患を発症してしまうことがあります。

PET検査により、高機能自閉症をもつ若い男性20人の脳を調べたところ、全体的にセロトニントランスポーターの量が少なかったそうです。
さらに、帯状皮質という感情や学習能力に深く関与している部位での密度も低かったため、それが自閉症の「相手の気持ちを理解できない」という症状を引き起こしていることもわかりました。

自閉症は今まで、TVの見せすぎや母親の愛情不足のせいなどと言われてきました。
しかしこの研究により、自閉症の原因は育て方ではなく、セロトニントランスポーターの不足による脳の機能不全であることが明らかになったのです。

高齢出産は可能性が高い!?

自閉症を発症するかどうかには、出産年齢も大きく関係しているようです。
米国カリフォルニア大学の調査と研究によると、女性の出産年齢が高ければ高いほど、自閉症の子供が産まれるリスクは高くなることがわかっています。

具体的にいうと、母親が40歳以上であった場合、自閉症の子供が産まれる可能性は、30歳未満の母親の約2倍になるそうです。
さらに5歳年を取るごとに、確率は18%ずつ上がることも明らかにされています。

また高齢出産というと、母親の年齢だけに目が向けられがちですが、父親の年齢も無関係とはいえません。
40歳以上の父親で、子供が自閉症になる可能性は、30歳代の父親の1.5倍というデータもあるためです。

なぜ高齢出産は自閉症の子供が産まれやすいのか、そのメカニズムはわかっていません。
しかし20歳代や30歳代での出産に比べると、かなりリスクが高くなることは事実ですので、高齢出産を検討している方にとっては、覚えておきたい知識と言えるでしょう。

【自閉症全書】コンテンツ分類
  • 【自閉症の基礎知識】症状・原因を知り診断・検査から薬を使った治療に役立てる
  • 【自閉性障害と診断されたら】言語教育やSST、運動などを通じコミュニケーション能力を高める方法
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