自閉症
薬,オキシトシン,リスパダール自閉症の基礎知識

自閉症の治療に使われる薬

自閉症

薬物療法自閉症の治療法の一つ薬物療法は、自閉症特有の症状を軽減するのに役立ちます。
病院より処方される自閉症の治療薬、オキシトシンとリスパダールについて解説します。

オキシトシンとリスパダールとは

オキシトシン・リスパダール薬で自閉症そのものを治すことはできませんが、癇癪を起こしたり、自分や他人を傷付けるといった問題行為を改善することは不可能ではありません。
オキシトシンとリスパダールは、そのような症状に効果があると言われている薬です。

この2つの薬について、さらに詳しく解説していきましょう。

愛情や信頼感が生まれるホルモンです

オキシトシンは、脳の視床下部で合成されるホルモンの一種です。
オキシトシンニューロンなどの神経細胞に存在するCD38というタンパク質が作用することで、下垂体後葉から分泌される仕組みになっています。

オキシトシンは、もともと子宮の収縮や母乳の分泌を促す働きがあることで知られていましたが、最近では愛情や信頼感といった感情に大きく影響していることも分かりました。

実際、この物質を重度の知的障害を伴う自閉症の男性に投与したところ、医師と視線を合わせるようになったり、会話中に笑顔をみるようになったという報告例があります。
感情の理解が困難な自閉症の人が、他者を認識できるようになったのです。

自閉症の症状が改善されたという例は、現時点ではこの1つしかありません。
したがって、この物質がすべての自閉症の人に効くという保障はありません。
しかし研究は今もなお進められており、今後オキシトシンが自閉症の治療薬として確立される可能性は十分にあります。

リスパダールの服用は医師と相談を

リスペリドンとは、有名な効精神病薬の一つであり、商品名をリスパダールといいます。
うつ症状に作用し、錐体外路系の副作用が少ない優秀な新薬として1984年に登場しました。

この薬には、神経の興奮や不安感をしずめる精神安定の作用があります。
そのため主に、思考や感情のコントロールができなくなる統合失調症の治療薬として用いられていますが、自閉症の癇癪や、自分や他者への攻撃といった症状にも効果があります。

現在では自閉症に処方されることも多いリスパダールですが、人によっては疲労、めまい、よだれ、食欲の増加、強い眠気などの副作用が表れることが難点です。
また、まれに意識の清明度の低下や、歩行困難といった重篤な副作用が出る場合もあるので、服用するかどうかは医師とよく相談するようにしましょう。

薬物療法を試みることも大切

自閉症の薬には、オキシトシンやリスペリドン以外にもリタリンやSSRIなどがあります。
リタリンは自閉症でよくみられる「多動」の症状を、SSRIは無意味な行動を繰り返す 「儀式的行為」の症状を和らげる薬です。
薬で自閉症自体を治すことはできませんが、このように症状の緩和に役立つものはたくさんあります。

よく「小さな子供に精神薬を飲ませたくない」「副作用が恐ろしいなど」の理由で、服用を拒否する親がいますが、慎重に選び、様子を見ながら少量ずつ飲むようにすれば、それほど危険はありません。
薬を毛嫌いし、いつまでも自閉症の子の問題症状に悩まされるよりは、効果を期待して薬物療法を試みることも大切です。

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